各社ミドルアドベンチャーが出ましたのでスペックや装備を比較しました。
価格
- XL750 Transalp:126万5,000円
- V-Strom800DE:132万円
- Tenere700:134万2,000円
Vストロームとトランザルプはスロットルバイワイヤで電子制御があるタイプですが、Tenere700はABSぐらい。
とはいえ専用フレームですし、他の2台よりオフロードよりのモデルで、方向性が違うよ。
デザイン
XL750 Transalp(トランザルプ)
スタンダードでシンプルなタイプのアドンベンチャーです。潔さを感じる。おじさん受けがよさそう。
V-Strom800DE(Vストローム800DE)
シュッとしてるタイプです。お顔もロボチックなので結構サイバー感ある。テールが大きめでお顔が小さめですね。
Tenere700(テネレ700)
プロジェクター4眼です。ヤマハらしい独特のデザインに感じる。個人的には個性的ながら洗練されててすげーって思う。
ヘッドライト、テールランプ、ウィンカー
XL750 Transalp(トランザルプ)
CBR650Fや400X等に使われているLEDヘッドライトです。ウィンカーも共通の物。
テールランプもなんか見覚えあるタイプ。アフリカツインと同じですね。
V-Strom800DE(Vストローム800DE)
GSX-S1000やGSX-8Sと同じヘッドライト。ウィンカーもそう。
テールランプはV-Strom1050と同じです。
Tenere700(テネレ700)
専用ヘッドライトです。4眼プロジェクターの珍しいタイプ。上2つがローで、下2つがハイ。
テールランプも専用のものでしたっけ。ヤマハは専用テールランプが多いと思う。ウィンカーはMT系の新しい方の共通LEDウィンカー。
車体サイズ
全長×全幅×全高
- XL750 Transalp:2,325×840×1,450
- V-Strom800DE:2,345×975×1,310
- Tenere700:2,370×950×1,455
幅はハンドル、高さはスクリーンによるものですね。
ホイールベース
- XL750 Transalp:1,560mm
- V-Strom800DE:1,570mm
- Tenere700:1,595mm
最低地上高
- XL750 Transalp:210mm
- V-Strom800DE:220mm
- Tenere700:240mm
オフ寄りのアドベンチャーなので最低地上高は大事。皆さん200mm超えてるので十分ですが。
シート高
- XL750 Transalp:850mm
- V-Strom800DE:855mm
- Tenere700:875mm
皆さん厳しすぎるシート高。私は820mmあたりから厳しくなってくる。
車両重量
- XL750 Transalp:208kg
- V-Strom800DE:230kg
- Tenere700:205kg
Vストロームだけ20kg以上重いです。結構な差。
エンジン
XL750 Transalp(トランザルプ)
- エンジン:SOHC水冷2気筒4バルブ(ユニカム)
- 270°クランク
- 排気量:754cc
- ボア×ストローク:87mm×63.5mm
- 圧縮比:11.0
- アシスト&スリッパークラッチ
生まれたてのオールニューエンジンです。ユニカムです。SOHCとDOHCの間って感じでしょうか。詳しくは調べてね。
V-Strom800DE(Vストローム800DE)
- エンジン:DOHC水冷2気筒4バルブ
- 270°クランク
- 排気量:775cc
- ボア×ストローク:84mm×70.0mm
- 圧縮比:12.8
- アシスト&スリッパークラッチ
この中で一番若くて一番排気量がでかい。比較的ロングストロークです。スズキってそういうの多いよね。
Tenere700(テネレ700)
- エンジン:DOHC水冷2気筒4バルブ
- 270°クランク
- 排気量:688cc
- ボア×ストローク:80.0mm×68.5mm
- 圧縮比:11.5
2014年生まれの比較的若いエンジンです。兄弟機のYZF-R7はアシスト&スリッパークラッチですが、Tenere700は採用していない。
エンジンスペック
馬力
- XL750 Transalp:67kW(91PS)/9,500rpm
- V-Strom800DE:60kW(82PS)/8,500rpm
- Tenere700:54kW(73.4PS)/8,750rpm
トランザルプのエンジンは排気量の割にパワーが凄いです。それでいてホンダなので信頼性やメンテナンスサイクルは常識的でしょうし。恐ろしい。
トルク
- XL750 Transalp:75Nm/7,250rpm
- V-Strom800DE:76Nm/6,800rpm
- Tenere700:69Nm/6,500rpm
Vストロームは排気量が一番大きいのでトルクも大きめですね。
パワーウェイトレシオ(車両重量/馬力)
- XL750 Transalp:2.29
- V-Strom800DE:2.80
- Tenere700:2.78
値が小さい方が優れています。
トランザルプは圧倒的です。ユニカムなのに凄いね。
燃費
燃料タンク容量
- XL750 Transalp:16.9L
- V-Strom800DE:20.0L
- Tenere700:16.0L
燃費
- XL750 Transalp:22.8km/L
- V-Strom800DE:22.6km/L
- Tenere700:23.8km/L
航続距離
- XL750 Transalp:385.32km
- V-Strom800DE:452km
- Tenere700:380.8km
Vストロームは20Lタンクなので航続距離が452kmと圧倒的です。アドベンチャーなので嬉しいね。
フレーム
XL750 Transalp(トランザルプ)
鋼管ダイヤモンドフレーム。
メインフレーム部分はホーネットと共通で、リアフレームは独自の物です。
V-Strom800DE(Vストローム800DE)
鋼管ダイヤモンドフレーム。
こちらもメインフレーム部分はGSX-8Sと共通で、リアフレームが別物。
GSX-8Sを見た感じ、Vストロームがメインで、GSX-8Sが派生モデルかなーって思いました。車両のバランス的に。ストリートファイターですが妙に長いし。
ちなみにエアクリーナーボックスがタンク下の特許と、シート下の特許が出願されていました。タンク下の方がスポーツモデル向けで、シート下の方がツアラー向けって感じでしょうか。特性的に。
GSX-8SもV-Strom800DEもシート下の様です。なのでやっぱりアドンベンチャーがメインなんだと思う。
Tenere700(テネレ700)
専用設計の鋼管ダブルクレードルフレームです。ハイテンです。
今時専用設計のフレームは結構珍しいと思います。MT-07系で唯一だよ。それだけガチなんだと思う。
シート
XL750 Transalp(トランザルプ)
シート高は一番低いのですが、シートは結構分厚く見える。
V-Strom800DE(Vストローム800DE)
比較的分厚く見えます。たぶんお尻に優しい方では?
Tenere700(テネレ700)
結構薄いです。おしりに厳しそうに見えますが、あんまり悪い話は聞かないような。
ブレーキローター、ブレーキキャリパー
XL750 Transalp(トランザルプ)
- フロント:310mm / 2POT
- リア:256mm / 1POT
NISSINの片押しキャリパーです。ペータルディスク。
V-Strom800DE(Vストローム800DE)
- フロント:310mm / 2POT
- リア:260mm / 1POT
NISSIN片押しキャリパーです。リアもNISSIN。ペータルディスク。
Tenere700(テネレ700)
- フロント:282mm / 2POT
- リア:245mm / 1POT
ブレンボ片押し2POTキャリパーです。
リアもブレンボ。アドベンチャーなので皆さんペータルディスクです。
ブレーキレバー、クラッチレバー
- XL750 Transalp:5段階/無し
- V-Strom800DE:5段階/無し
- Tenere700:5段階/無し
サスペンション
XL750 Transalp(トランザルプ)
- フロントフォーク:SHOWA SFF-CA、43mm倒立、プリロード
- トラベル:200mm
- リンク式モノショック:SHOWA、プリロード
- トラベル:190mm
V-Strom800DE(Vストローム800DE)
- フロントフォーク:SHOWA、倒立、プリロード/伸/圧
- トラベル:220mm
- リンク式モノショック:SHOWA、プリロード/伸/圧
- トラベル:212mm
太さはわかりませんが、恐らくは43mmです。
前後フルアジャスタブルです。リアのプリロードは簡単に調整出来るやつ。
Tenere700(テネレ700)
- フロントフォーク:KYB、43mm倒立、伸/圧
- トラベル:210mm
- リンク式モノショック:KYB、プリロード/伸/圧
- トラベル:200mm
唯一のKYB製です。
リアのプリロードはこちらも工具使わず手動で調整出来るやつ。リモートアジャスターっていうんでしたっけ。
キャスター、トレール
- XL750 Transalp:27° / 111mm
- V-Strom800DE:28° / 114mm
- Tenere700:27° / 105mm
タイヤ
フロントタイヤ
- XL750 Transalp:90/90-21
- V-Strom800DE:90/90-21
- Tenere700:90/90-21
リアタイヤ
- XL750 Transalp:150/70-R18
- V-Strom800DE:150/70-R17
- Tenere700:150/70-R18
皆さんフロントは21インチですが、Vストロームはリアが17インチです。なんで18インチじゃないんでしょうね。
タイヤ
- XL750 Transalp:メッツラー Karoo Street、ダンロップ TRAILMAX MIXTOUR
- V-Strom800DE:ダンロップ TRAILMAX MIXTOUR
- Tenere700:ピレリ SCORPION RALLY STR
スクリーン・リアキャリア・電源・アンダーガード・ナックルガード
XL750 Transalp(トランザルプ)
調整機構はありませんが、結構高めです。全高1,450mmですし。
リアキャリア標準装備。
電源はシート下にある。
アンダーガードはオプション。ナックルガードもオプション。サイドパイプ等もオプションである。
V-Strom800DE(Vストローム800DE)
スクリーンは3段階調整可能です。全高は1,310mmですが、恐らくは一番低いポジションでの値では?
リアキャリア標準装備。耐荷重10kg
USB A電源がメーター左についてる。5V2A。
アンダーガードは標準装備。ガードとフレームが追加されている。ナックルガードも標準装備。
Tenere700(テネレ700)
スクリーンは高さ調整ができません。全高は1,455mmです。
リアキャリアは純正アクセサリーです。税込3万7,400円。
電源はメーター左に12V電源がついてる。
→2023年モデルはUSB電源がついてます。旧型は12V電源なので変わったみたい。
アンダーガードは標準装備。ナックルガードも標準装備。
メーター
XL750 Transalp(トランザルプ)
5インチフルカラー液晶メーター。共通メーターです。
HSVCS(音声制御スマートフォン連携)に対応していますので、音声ナビも対応してます。
アクセサリーバーはない。
V-Strom800DE(Vストローム800DE)
5インチフルカラー液晶メーター。ナビは対応してない。GSX-8Sと共通のメーター。
アクセサリーバー標準装備。
日本のTenere700(テネレ700)
縦型のモノクロデジタルメーターです。専用メーターですね。
アクセサリーバー標準装備。
ヨーロッパのTenere700(テネレ700)
縦型の5インチフルカラー液晶メーターです。スマートフォン連携機能はあるが、ナビはない。Tenere700にしか使われていないメーター。テネレって専用装備がなんか結構多いですね。なので価格も高めなのかな。
アクセサリーバー標準装備。
ヨーロッパの現行モデルはフルカラー液晶メーターになりましたが、日本の2023年モデルに関してはモノクロのままです。
電子制御
XL750 Transalp(トランザルプ)
- スロットルバイワイヤ
- ライディングモード:スポーツ/スタンダード/レイン/グラベル/ユーザー
- エンジンパワー:4モード
- エンジンブレーキ:3モード
- ABS:2モード
- リアABSオフ可能
- トラクションコントロール:5モード
- ウィリーコントロール:トラコンに統合されてる
- 上下クイックシフター:オプション
めちゃくちゃ電子制御があります。IMUがないぐらい。
エマージェンシーストップシグナルやウィンカーオートキャンセル等も採用してるよ。
V-Strom800DE(Vストローム800DE)
- スロットルバイワイヤ
- ライディングモード:アクティブ/ベーシック/コンフォート
- ABS:2モード
- リアABSオフ可能
- トラクションコントロール:3モード(グラベルモードあり)
- 上下クイックシフター
- スズキイージースタート
- ローRPMアシスト
Vストロームも電子制御が豊富です。トランザルプと似た感じですね。
日本のTenere700(テネレ700)
- ABS:前後/前後オフ
Tenere700は他と比べると電子制御は最低限ですね。
ヨーロッパのTenere700(テネレ700)
- 3モードABS:前後/リアオフ/前後オフ
- 上クイックシフター:オプション
Tenere700は電子制御は最低限です。スロットルバイワイヤじゃありませんので。
こちらヨーロッパ現行モデルの装備です。日本の現行モデルには採用されていません。
主な特徴
XL750 Transalp(トランザルプ)
- ユニカム
- 豊富な電子制御
- 軽量&ハイパワー
- 簡易ナビ
V-Strom800DE(Vストローム800DE)
- スズキクロスバランサー:2軸プライマリーバランサー
- 豊富な電子制御
- 前後フルアジャスタブルサスペンション
Tenere700(テネレ700)
- 専用設計フレーム
- 前後アジャスタブルサスペンション
- ABS前後オフ可能
個人的な印象だとトランザルプとVストロームは比較的オンよりで、テネレはオフよりって感じでしょうか。
ポジションの比較
XL750 Transalp(トランザルプ)
ハンドルが近くて低め。
V-Strom800DE(Vストローム800DE)
ハンドルが結構低い。
Tenere700(テネレ700)
ハンドルが高めです。
比較画像
ポジション的には皆さん似た感じです。ちょっとハンドル位置が違うぐらい?
車体のバランスで見ると結構違いがあります。Vストロームとトランザルプは低めですが、テネレは全体的に高めです。スリムなデザインで脚が長いし一番でかいのでシュッとして見えますね。
大体そんな感じです。
オフよりのアドベンチャー系は用途が広いし、何を重視するかによって最適な一台ってそれぞれ違いますんで、スペックや装備ではなく、実際に乗ってみて判断したほうがいいと思います。
私はスペック厨ですが最近買ったバイクのスペックや装備は平凡です。公道走るんですし、カタログスペックより自分の用途や感性に合うバイクを選んだ方が幸せになれると思う。
私は一応試乗して決めました。よくわからんけど合うというか、なんかしっくりきたので。バイクは感性の乗り物なのでなんとなく好きって感覚は大事だと思う。ちなみに旧型のモンキー125に乗った時はコレが俺の一番ってすぐに感じました。なんかあるよね、そういうの。
最近はバイクは納期が長いので、正式発表前に予約しないと納期1年とかよくあることですけど、可能なら試乗してから決めたほうが安心だとは思います。高い買い物だしね。
まぁ日本メーカーのバイクですし、ミドルクラスなので、めちゃくちゃ合わないって事はそうそう無いと思いますが。脚付きだけは気をつけてね。850、855、875とどれもヤバいので。
トランザルプのスペックや装備等はこちらでどうぞ。
Vストローム800DEのスペックや装備はこちらでどうぞ。
Tenere700のスペックや装備はこちらでどうぞ。