ホンダは直噴エンジンのバイクを出す気満々なんでしょうか。カワサキとどっちが先かな?
ホンダの直噴エンジンの特許
”内燃機関において、燃焼室の内壁に燃料が付着することを抑制する。”
2020年2月出願の特許です。原出願日は2017年3月です。
”シリンダヘッド15と、シリンダ13と、シリンダヘッド15に形成された燃焼室28の吸気を行う吸気ポート30と、吸気ポート30と燃焼室28とを開閉する吸気バルブ32と、燃焼室28の排気を行う排気ポート31と、排気ポート31と燃焼室28とを開閉する排気バルブ33と、吸気バルブ32及び排気バルブ33に動力を与えるカムシャフト36と、カムシャフト36に動力を伝達するカムチェーン40と、燃焼室28に燃料を直接噴射するインジェクタ41と、を備えた内燃機関において、吸気ポート30及び排気ポート31は、それぞれ1つずつ設けられ、インジェクタ41は、吸気ポート30とカムチェーン40との間に配置されている。”
燃料室に燃料を直接噴射するインジェクタ…あー直噴ですね。ホンダが最近いくつか特許出願してる。
エンジンの図は単気筒だけども
”以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ不図示の自動二輪車(以下、単に「車両」という。)における向きと同一とする。”
” 図1は、一例として、単気筒2バルブ型のエンジン(内燃機関)の内部構造を示す。”
”上記実施形態では、エンジン10が単気筒2バルブ型である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、エンジン10が多気筒2バルブ型であってもよい。すなわち、エンジンは種々の形式を採用することができる。”
自動車だと直噴ありますけど、バイクだと現状無いですよね。
例は単気筒ですが、他のでも良いよって書いてある。この文言って大体どの特許にも書いてある気がするけど。
第四実施形態まであるよ
第一実施形態
こちら第一実施形態
30は吸気ポート、41がインジェクターで、43は点火プラグ、swはスワール流、w1は30a内の吸気の流れ、w2はスロート分30b内の吸気の流れ、Fwはインジェクタからの燃料噴射の方向
”上記実施形態は、シリンダヘッド15と、シリンダ13と、シリンダヘッド15に形成された燃焼室28の吸気を行う吸気ポート30と、燃焼室28の排気を行う排気ポート31と、燃焼室28に燃料を直接噴射するインジェクタ41と、を備えたエンジン10において、吸気ポート30は、燃焼室28にスワール流を形成し、インジェクタ41は、燃料噴射口41hをスワール流に対向させるように、シリンダ軸線L1に対して傾斜して延びている。
この構成によれば、インジェクタ41が燃料噴射口41hをスワール流に対向させるようにシリンダ軸線L1に対して傾斜して延びていることで、インジェクタ41が噴射する燃料の直進力を減衰させることができる。したがって、燃焼室28の内壁(すなわち、シリンダ内壁13a)に燃料が付着することを抑制することができる。”
吸気と燃料噴射がぶつかるので、燃料の勢いが減り、シリンダーの内壁に燃料が付着しにくくなるって感じ。
スワール流ってなんじゃいって感じですが…
”シリンダー内や燃焼室内における吸気や作動流体の渦状の流れをいう。シリンダー内の流れについては、シリンダー中心軸まわりの横渦をスワールといい、それと直角方向の縦渦をタンブルという。適度のスワールを生成することにより、混合気の乱れが誘発され、燃焼速度が向上することから、燃費改善や希薄燃焼限界向上の手段として利用されることが多い。
引用元:スワールとは何? Weblio辞書
上記の通りです。なんとなくわかった。
ちょっと話がそれるけど、ホンダってタンブル流がどうとかって新型エンジンで言ってましたね。
コレ。インドで大人気のアクティバちゃん。タンブル流強化技術だとか。
第二実施形態
”本実施形態によれば、シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、吸気ポート本体230aがシリンダ13の外形寄りで仮想線L2を挟んでインジェクタ41とは反対側に湾曲するとともにスロート部230bに結合されていることで、スロート部230bに加え、吸気ポート本体230aの湾曲部がスワール流を発生させる機能を有することになるため、シリンダ内壁13aに沿うようにスワール流を効率よく発生させることができる。
なお、本実施形態によれば、吸気ポート本体230aの湾曲部によりシリンダ内壁13aに沿うスワール流を発生させることができるため、螺旋状のスロート部230bを構成しない形式を採用することもできる。”
先程と比べると吸気ポート(230)が変わってますね。こっちの方がスワール流が強くなるって感じかな。
第一実施形態より燃料噴射の勢いを減衰出来るタイプなので、より付着しにくくなるぞって感じ?
第三実施形態
”本実施形態によれば、2つのインジェクタ41は、燃料噴射口41hから噴射される燃料の少なくとも一部が互いに衝突するように対向して配置されていることで、燃焼室28内で互いの燃料をぶつかり合わせることができるため、2つのインジェクタ41が噴射した燃料の直進力をより効果的に減衰させることができる。したがって、燃焼室28の内壁に燃料が付着することをより効果的に抑制することができる。”
”また、本実施形態では、吸気ポート330と第一インジェクタ41Aとが立体交差していることで、吸気ポート330にスロート部を設けることなく、燃焼室28内にスワール流を容易に形成することができる。”
こちらはインジェクターがふたつあるので、それ自体で減衰させあってるってタイプ。
あとインジェクターもっと増やしてもいいよとか記載もあります。
第四実施形態
”本実施形態の吸気ポート430は、シリンダ軸線L1に沿う方向から見て直線状をなしている。すなわち、吸気ポート430には、螺旋状のスロート部が設けられていない。シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、吸気ポート430とインジェクタ41とは、互いに交差するように前後に延びている。シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、吸気ポート430は、後側ほど左方に位置するように緩やかに傾斜している。本実施形態の吸気ポート430は、第三実施形態の吸気ポート330(図7参照)よりも後側において左方への傾斜度合が大きい。シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、インジェクタ41は、後側ほど右方に位置するように緩やかに傾斜している。”
”吸気ポート430とインジェクタ41との上下交差部において、吸気ポート430は、インジェクタ41の上方に配置されている。すなわち、吸気ポート430とインジェクタ41とは、立体交差している。”
これは図だけだとよくわからなかったので、説明文も載せるね。
”本実施形態によれば、吸気ポート430とインジェクタ41とが立体交差していることで、吸気ポート430にスロート部を設けることなく、燃焼室28内にスワール流を容易に形成することができる。加えて、シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、吸気ポート430は、後側ほど左方に位置するように緩やかに傾斜し、かつ、第三実施形態の吸気ポー
ト330よりも後側において左方への傾斜度合が大きいことで、第三実施形態よりも燃焼室28内にスワール流を容易に形成することができる。”
こちらもインジェクターは1つのタイプです。
どれもインジェクタの燃料噴射にスワール流なりぶつけて減衰させるぞ系です。
やりかたとかスワール流の作り方とかがそれぞれ違ったり。
以前の特許からして、次期型アフリカツイン向けだと思う。すぐには出ない
ホンダの直噴の特許は最初はCRF250Lの図で出願されていました。
なので最初は新型CRF250L向けかなって思ったのですが、小排気量でやるのはコスト的にだいぶ難しいって話になったよ。
んでその後の特許ではアフリカツインの図が使われていました。
ホンダは特許を出願する時に同系統のモデルの図を使う傾向にある(CBR1000RR-R向けの特許をCBR250RRの図で出願とか最近あったよ)ので、以前の特許がCRF250Lだったのも納得です。
詳しくはこちらの記事でどうぞ。
今回の特許は結構古いものみたいですし、エンジンが単気筒です。
実際には直噴の単気筒エンジンはすぐには出ないと思います。カモフラージュとか、わかりやすいように単気筒エンジンを使っただけだと思う。
んで、結構図が丁寧に描いてある系ではありますが、こちら市販車に実際にそのまま使われる特許ってことではなさそう。
ほぼそのまま使う系の特許と、市販に向けて研究してるぞ系(?)の特許があるってイメージですが、今回のは後者でしょうね。
私が知っている限りはホンダは2016年3月にも直噴関連の特許を出願してます。こちらも上記のリンクに載せてるよ。
直噴エンジンのバイクを出す気はあるし、恐らくはアフリカツイン系のエンジンに載せるか、または完全新型のリッターツイン系のエンジンを直噴にするんだと思います。
でも特許とか流れ的に見て、すぐには出ることは無いですね。数年は無いと思います。
そういう感じですので、アフリカツイン系欲しいって方は安心して現行買っていいです。
たぶん6年以内には出るのでは?早くても3、4年ぐらい先だと思う。根拠ないけど。
大体そんな感じです。
ちなみにレブル1100についてはこちらでどうぞ。
アフリカツイン系エンジンのアドベンチャーについてはこちら。
3兄弟になるよ。楽しみだねー
ちなみにカワサキも直噴エンジンの特許を出願してるよ。
ホンダとカワサキ、バチバチっすね!