ホンダもローRPMアシストっぽい機能の特許を出願しています。しかも発展型です。
ホンダのエンジン制御の特許
エンジンの回転数が低下した場合に、エンジンの停止を防ぎ、車両姿勢の乱れを防ぐ。
2021年9月出願の特許です。
エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出部(55)と、前記エンジン回転数を制御するエンジン制御部(47)と、後輪(15)の制動力を制御する制動力制御部(49)と、を備える鞍乗り型車両において、前記エンジン回転数が所定の回転数以下に低下していることが、前記エンジン回転数検出部(55)によって検出された場合に、前記エンジン制御部(47)が、前記エンジン回転数を増大させる制御をおこない、且つ、前記制動力制御部(49)が、前記後輪(15)の制動力を増大させる制御をおこなうことを特徴とする鞍乗り型車両。
あ、ローRPMアシスト系の特許ですね。更に制動力の調整してますので、スズキのローRPMアシストより進んでる機能みたい。へー
ローRPMアシストの発展形みたいな特許
IMUやリアブレーキと連動してる
こちらブロック図です。上記の通りにIMUやリアブレーキと連動しています。
スズキのローRPMアシストに関してはIMUやリアブレーキと連動していません。なのでスズキのものより高度ですね。
RPMアシストしつつリアブレーキかけてる
エンジン回転数が所定のエンジン回転数以下に低下していると判定部45によって判定された場合には(ステップSA2:YES)、エンジン制御部47がパワーユニット12のエンジン回転数を上げるように制御する(ステップSA3)。そして制動力制御部49が制動装置34を制御することで後輪15の制動力を増大させる制御をおこなう(ステップSA4)。
このとき、制動力制御部49は、車速の変化を抑える程度に後輪15の制動力を増大させる制御をおこなうことが望ましい。
Uターン等の旋回時には基本的にスロットル閉じ気味で低速でやりますよね。スロットル閉じ気味なのでエンジン回転数下がりますが、それによってエンストして転けるってよくある話ですよね。
そうならないようにエンジン回転数上げてくれるのですが、エンジン回転数上げるとそりゃあスピード上がりますので、そうならないようにリアブレーキで調整してくれるんですって。あらー親切ね。
スズキのはリアブレーキの制御が無いと思います。そういう記載は無いし、乗っててそう感じる。
車速やIMUのデータ使ってる
鞍乗り型車両10が直進していて車速が所定の速度よりも早い場合には、たとえエンジンの回転数が低下しても車両姿勢が乱れる可能性は低い。したがって、この場合は、スロットルの開度を大きくする必要性は低い。
また鞍乗り型車両10が旋回していて、エンジンの回転数が低下した場合には、車速が低くなると車両の姿勢が保ちにくくなる可能性がでてくる。このような場合には図3で示したような制御が有効である。しかし、車速が十分高い場合には、車両姿勢が乱れる可能性が少ないため、ECU30による運転への介入は、乗員の意図に反した不自然な挙動を招く可能性がでてくる。このため車速と車両の姿勢、エンジン回転数の組み合わせには適正な範囲が存在するため、そのような範囲に鞍乗り型車両10があるかどうかを判定部45が判定することも考えられる。
車速やバンク角によってはRPMアシストの必要がないので、その辺の判断もする様です。かしこい。
急停止の判断もする
乗員によるブレーキレバーの操作が、急停止を意図したものでない場合には、鞍乗り型車両10が停止する程度まで制動装置34の制動力を高める制御はしないことが望ましい。乗員が意図せず停止してしまった場合に車両姿勢が乱れる可能性が生じるからである。
乗員によるブレーキレバーの操作が、急停止を意図していた場合には、図5で示した制動力制御部49による制動装置34の制動力を低下させる制御は行わないことが望ましい。
急停止を意図してるか意図してないかを判断して、制御を切り替える柔軟性もあるよ。
乗員のブレーキレバー操作が急停止を意図しているかどうかは、車速とバンク角等から判定部45が判定してよい。具体的には記憶部51が図5に示した制御をおこなってよい車速とバンク角の範囲を記憶し、それに基づいてECU30が制御をおこなうことが望ましい。
でもこの辺って乗り手や状況によるので判断が難しそうですね。でもホンダならその辺しっかりとやってくれそうな安心感ありますね。
どういう車両向けの特許?
車両の図はCBR250R
車両の図はCBR250Rですね。部分的に違うところはあるけども。まぁ普通にカモフラージュですね。
ちなみにCBR250R系のモデルであるCB250RはIMUを採用してます。何軸かは謎ですが。
となるとCB250Rとかその辺向けだと思われがちですが…
恐らくは大型向け
CB250RのABS仕様は、従来のABSに対して、走行中の車両にかかる慣性を測定するIMU(Inertial Measurement Unit)を追加。IMU付前後独立アンチロックブレーキングシステムはクラス初採用※となります。
ABSにIMUを追加することで、急制動時の後輪浮き上がり(リアリフト)を効果的に抑制します。
CB250RのABSですが、コーナリングABSではありません。リアリフトを抑制のみっぽいので、比較的単純な制御の様です。
鞍乗り型車両10は、また車両のロール角、ヨー角、ピッチ角の角速度や、上下方向、左右方向、前後方向の加速度を測定するIMU32(Inertial Measurement Unit)を有する。
特許のモデルは6軸IMUです。それからバンク角等判断して制動力の制御してますので、コーナリングABSっぽいです。
6軸IMU採用モデルはホンダでもそう多くありません。大体大型の高額モデル。なので今回の特許もそういうモデル向けっぽいです。
大型ハイエンドモデル向けでは?
現行でIMU採用モデル
- ゴールドウイング:次期モデルは採用されそうなので
- アフリカツイン
- CBR1000RR-R
- CB1000 HORNET:たぶんIMU採用してると思う
- CBR600RR
現行モデルでコーナリングABSを採用してるのは上記のモデルです。赤いのね。
次期ゴールドウイング
次期ゴールドウイングに関しては特許を見た感じコーナリングABSを採用しそうです。姿勢制御系の特許等あるので、少なくともそういうグレードはあると思う。
それに採用される可能性はありそう。ゴールドウイングに向いてる特許内容ですし。
CB1000 HORNET
CB1000 HORNETに関してはどうもCBR1000RR(SC77)ベースの様です。詳しくはこちら。
CBR1000RRは5軸IMUを採用してました。なのでCB1000 HORNETに関しても5軸や6軸のIMUが採用されると思います。
特許の内容的にはゴールドウイング向けですが、車両の図的にはCB1000 HORNETとかその辺に近いですね。CB1000 HORNETも一応CBR系ですし。ちなみにCB1000R HORNET向けの特許は同時期に複数出願されています。
恐らくは市販モデルに採用される特許だと思います。そう遠くないうちに出ると思う。