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全固体電池が本格量産ってお話だけど、自動車やバイク用はまだだよ

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全固体電池が本格量産ってお話だけど、自動車やバイク用はまだだよ

気になるんで調べてみました。車は2020年代前半だとか。
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引用元:NEDO:全固体リチウムイオン電池の研究開発プロジェクトの第2期が始動

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TDKと日立造船が今年から全固体リチウムイオンバッテリーを本格量産

”TDKは、電子基板に実装するチップ型の「セラチャージ」を開発。同社によると、「ボタン電池と置き換えれば、搭載機器を小型化でき、充電も可能」という。既に月3万個のサンプル生産は行っているが、今年中ごろには本格量産に乗り出す考えだ。”

”一方、電解質に硫化物系の無機材料を使った電池も実用化が迫っている。その先頭を走るのが日立造船だ。”

”「まず宇宙空間で使われる電子機器など、特殊用途向けに売りたい」と同社。将来的には大きな需要が見込まれる自動車への供給も見据える。”

引用元:全固体電池の実用化、目前に TDKと日立造船、今年から本格量産 「安全で大容量化」容易に (2/3ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)
全文はSankeiBizさんでどうぞ。

TDKのセラチャージ

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”CeraChargeは小型EIA 1812パッケージ(4.5 x 3.2 x 1.1 mm)により提供され、定格電圧1.4 Vで容量100 µAhを実現しています。充放電サイクルは、条件により1000回以上可能であり、短時間またはパルス動作のために数 mAの電流を引き出すことができます。”

”主なアプリケーション
IoTデバイス、リアルタイムクロック、Bluetoothビーコン、環境発電システム”

引用元:全固体電池: CeraCharge™-世界初の充放電可能なSMDタイプのオールセラミック固体電池 - TDK Electronics AG
TDKのセラチャージは小型な奴です。主な用途が上記の通りですし。
なのでバイクや自動車は関係ないです。

日立造船のAS-LiB

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”全固体リチウムイオン電池は、正極層、固体電解質(SE)層、負極層を積層させた構造です。”

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”アプリケーション分野と製品(想定)”

”広い動作温度範囲を活かした特殊環境対応電池
産業用装置用途、宇宙用途、過酷環境下での電源など
高い安全性を活かした医療向け電池
医療器具、医療機器など

次世代自動車用電池”

引用元:全固体リチウムイオン電池 [AS-LiB®]|研究開発・技術|Hitz 日立造船株式会社
SEってなんじゃい?って感じだったんですけど…

”「SE」は固体電解質(Solid Electrolyte)の略称かと。”

こちら※3さんのコメントです。ありがとうございますー

こちらは次世代自動車用電池とありますので、車やバイク関係ありそうですけども、現状は宇宙空間等の特殊用途向けに売りたいってお話ですので今のところは関係ないですね。
たぶんそんなに大量生産しない&高価って事でしょうし。

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そもそも全固体バッテリーってなんぞ?

現行のリチウムイオンバッテリーとの違い

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”現行LIBは、正極と負極の間に有機電解液が使われています。リチウムイオンが、この電解液の中を溶媒分子と結び付いて泳ぐように移動することで、充放電が可能になります。”

”一方、次世代蓄電池のーつとして期待される全固体LIBでは、電解質として無機の固体材料が使われ、正極、負極等と合わせて電池全体が固体材料で構成されています。かつては、固体電解質はリチウムイオンの伝導性が低く、高性能な全固体LIBの実現は困難だと考えられていました。”

引用元:100881592.pdf
全文はNEDOのPDFでどうぞ。めっちゃわかりやすい解説と図。
全固体リチウムイオンバッテリーなので全固体バッテリーとか全固体電池って言われてるよ。

全固体リチウムイオンバッテリーのメリット

”全固体LIBは、難燃性で化学的安定性に優れた固体電解質を使うため、エネルギー密度を高めても安全な電池が作れます。また、固体電解質の中では、リチウムイオンは有機電解液の中よりもスピーディーに動くことができるため、急速充電性能も大きく向上すると見られます。”

”熱的安定性が向上することで、冷却装置等が簡素化でき、パッケージの小型化や、全体のコスト低下も見込めます。また、分解によるガスの発生も少なく、外気温の変化等、使用環境が厳しい中で、確かな性能と安全性が求められる車載用蓄電池にふさわしい特徴を有しています。”

引用元:100881592.pdf
基本的にメリットしかないですね。

恐らく現状は安価に生産できる生産工程が確立してないので大量生産してないんでしょうけど、本格量産に入った会社はその辺の問題解決してるんでしょうか。

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現行のリチウムイオンバッテリーと数値的にどれくらい違うんすかね

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引用元:ENAA_StationVisit2008
全文はNEDOのPDFでどうぞ。2012年時点の資料です。
ロードマップなのでこんな感じにしますとか、したいなーって感じですね。

2012と2020で比較しますと…

  • 航続距離約2倍
  • 電池パック重量約半分
  • 車両価格大幅減
  • 電池寿命約1.5倍
  • 充電にかかる電気代約約1/4

現在2019年なので通常のリチウムイオンバッテリーの性能も2012年より上がっていますし、上記は目標値でしょうけど凄い数字ですね。
そんだけ全固体リチウムイオンバッテリーって高効率な物なんでしょうか。

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革新電池ってなんぞ

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引用元:ENAA_StationVisit2008
この図に載ってる電池とかの事を指すよ。まだ技術的に実用化に至ってない電池ですね。2030年頃に実用化の見通しがあるみたい。
スペックすごいっすね。全固体リチウムイオンバッテリーより更につよい。

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引用元:100881592.pdf
革新電池について詳しく書いてあるNEDOのPDFありますので、気になる方はそちらでどうぞ。
各電池の詳しい解説も載ってるよ。

ちなみに全固体電池はリチウムイオンバッテリーの一種なので、革新電池の仲間じゃないです。

ホンダは革新電池の研究もしてるよ

”京都大学は本田技研工業ともイオン伝導率に優れ、フッ化物イオン2次電池の固体電解質として十分な電気特性を示す結晶体の製造方法、結晶体及びフッ化物イオン2次電池用電解質を提供するという特許を公開している。”

引用元:ファインケミカルWEBマガジン 2017年7月 | ファインケミカル | フッ素化学 | ダイキン工業株式会社
全文はダイキンのページでどうぞ。

ホンダはフッ化物イオン電池なる革新電池の研究をしてます。フルライドイオンバッテリーともいうそうな。

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”結晶体の製造方法であって、PbF2とSnF2とを混合することにより、混合物を得る混合工程と、混合物を、不活性雰囲気にて混合物の融点以上の焼成温度で焼成することにより、結晶体を得る焼成工程と、を有し、混合工程は、結晶体中に含まれるPbとSnのモル比率がPb:Sn=53:47~68:32の範囲内となるような混合比率でPbF2とSnF2とを混合する結晶体の製造方法、結晶体及び当該結晶体からなるフッ化物イオン2次電池用電解質である。”

こちらその特許の解決手段の部分。2015年11月出願です。

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全固体電池の車はトヨタが2020年前半で実用化するみたい

”トヨタの好田氏は「トヨタは2020年代の早い時期に全固体電池を実用化したいと生産技術を含めて研究を進めているが、当然、開発を加速していきたいと思っている。ですが、具体的な内容については控えさせていただきたい」とコメント、パナソニックの人見氏も「パナソニックとしても、全固体電池の技術の共用化させていただくことで、開発の加速化を考えていきたい」とコメントした。”

引用元:トヨタとパナソニック、全固体電池も研究開発する車載用角形電池事業の合弁会社に関する記者会見 - Car Watch
全文はcarwatchさんでどうぞ。

トヨタは2020年代前半に実用化の予定だそうです。ちょっと早くなる可能性もありそうですね。
ちなみにトヨタとパナソニックで車載用バッテリーの合弁会社設立するってよ。

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ホンダも全固体電池の研究してるよ

”ホンダと日産自動車が、電気自動車(EV)の走行距離を延ばして充電時間も大幅に短縮できる「全固体電池」をそれぞれ開発していることが21日、分かった。”

”トヨタは200人体制で開発を進めており、2020年代前半に車への搭載を計画。日産も20年代後半の実用化を目指す。ホンダは具体的な時期を明らかにしていない。”

引用元:ホンダと日産が次世代電池 「勝ち技になる可能性大」EV長距離走行へ開発 - SankeiBiz(サンケイビズ)
全文はSankeiBizさんでどうぞ。2017年12月時点の情報です。

ホンダも研究はしているみたいですが、具体的な時期は発表してないみたい。

そんな感じですので、全固体電池の自動車は早くて2020年代前半(多少早くなる可能性もある)って感じです。
バイクって大体こういうの遅れてきますので、恐らくは全固体電池搭載のバイクは出てくるの結構遅れそう。更に3~5年後ぐらいですかね?

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引用元:日産・リーフ ZE0 - Wikipedia
ちなみに初代リーフが発売されたのが2010年です。

電動バイクについてですがwikipedia曰く

  • 2003年:パッソル(ヤマハ)
  • 2005年:EC-02(ヤマハ)、パッソル-L(ヤマハ)
  • 2010年:EC-03(ヤマハ)、EV-neo(ホンダ、リース用)
  • 2012年:e-let's(スズキ)
  • 2018年:PCX ELECTRIC(ホンダ、リース)

あ、結構昔から居るんですね。

でもホンダはリースのみで販売してないんですよね…
なので、やっぱり個人的には結構遅れてくるのでは?って思います。

とはいえリチウムイオンバッテリー搭載のバイクが出てるんなら、より安全で高性能な全固体リチウムイオンバッテリー搭載するのはそこまで難しくなさそう?

そんな感じで全固体電池載せてるバイクはしばらくは待たなきゃって感じだと思います。
ヤマハ、カワサキ、ホンダは電動バイクに結構力入れてるみたいですので、全固体に限らず、何かしら電動バイクを近いうちに出しそうな気はしますね。

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