ホンダのV型4気筒のスーパースポーツ向けっぽい特許です。内容的に市販モデルっぽさあります。
ホンダのV4エンジン関連の特許
カムシャフト関連の特許
ペンデュラムダンパーをカムシャフトに配置した上で、エンジンの肥大化を抑えるとともに防振性を高めることができる内燃機関の防振装置を提供する。
2021年9月30日出願の特許です。2023-050403
クランクシャフトの軸方向に並ぶ第一シリンダおよび第二シリンダと、第一シリンダに対応する第一カムセット47および第二シリンダに対応する第二カムセット48を有するカムシャフト40と、を備える内燃機関の防振装置において、カムシャフト40における第一カムセット47と第二カムセット48との間に、カムシャフト40の回転方向の振動を抑制するペンデュラムダンパー60が配置されている。
ペンデュラムダンパーって何?って感じなんですけど、画像の60だそうです。カムシャフトになぞのデカいやつがついてる。
クランクシャフトの捩り振動を抑制する遠心振り子ダンパー(ペンデュラムダンパー)
へーそうなの。私この辺さっぱりです。カムシャフトにダンパーついてるのって全然見たことない気がします。珍しい物なのかな?
ホンダのスカベンジポンプ関連の特許
クランク室を有する内燃機関において、スカベンジポンプに取り込まれるオイルとリードバルブから排出されるオイルとが互いに影響を受けることを抑止する。
2021年9月29日に出願の特許です。2023-049437
クランクケース20の下部に取り付けられるスカベンジポンプ51L,51Rと、クランクケース20の下方にオイル貯留空間41を形成するオイルパン40と、を備え、スカベンジポンプ51L,51Rのポンプハウジング52L,52Rは、クランクケース20内に開口する吸入ポート71と、吸入ポート71の前下壁71aに備えられる連通部92と、を備え、連通部92のオイル貯留空間41側の第一開口92aには、エンジンオイルの流通を規制するリードバルブ90が配置され、連通部92のクランクケース20内側の第二開口92bは、スカベンジポンプ51L,51Rのポンプロータ57よりも高い位置に配置される。
スカベンジポンプついてますので、ドライサンプまたはセミドライサンプって事でしょうか?今時ドライサンプのバイクってほぼありません。
ちなみにホンダやDUCATIのMotoGP車両はセミドライサンプですし、パニガーレV4やRC213V-Sはセミドライサンプです。
ホンダのスカベンジポンプ関連の特許2
クランク室を形成する内燃機関において、スカベンジポンプのオイル吸込み口を拡大し、かつオイルセパレーターを容易に交換可能とする。
2021年9月29日出願の特許です。2023-049420
クランクケース20から流下したエンジンオイルを吸い込むスカベンジポンプ51L,51Rと、スカベンジポンプ51L,51Rのポンプハウジング52L,52Rに取り付けられ、クランクシャフト11に連れ回るエンジンオイルをスカベンジポンプ51L,51Rのオイル吸込み口72aに向けて落下させるオイルセパレーター86と、を備える。
こちらもスカベンジポンプとかその辺の特許です。
ホンダの排気系の特許
廉価な構造としながら排気管継手部分からの排気漏れを防ぐことができる内燃機関の排気装置を提供する。
2021年9月30日出願の特許です。
複数の気筒から独立して排気を導く複数の独立管22を含む排気管を備え、複数の独立管22の各々は、管長方向での分割部を有するとともに、分割部には、分割された上流管24および下流管25を互いに着脱可能に接続する管接続構造30が設けられ、管接続構造30は、上流管24および下流管25の外周面に沿って設けられる環状係合部31,32と、上流管24および下流管25の両方の環状係合部31,32を一体に保持する保持部材37と、を備え、複数の独立管22の一方において、上流管24および下流管25の一方は、環状係合部31を管本体に対して管長方向で摺動可能としている。
排気系の特許です。
どういう車両向けの特許じゃいって感じですけど…
V型4気筒スーパースポーツ向けっぽい
車両の図はCBR1000RRだけど
上記4つの特許の車両の図はこちらです。CBR1000RR(SC59)ですね。でもエンジンのシルエットがV型ですし…
図2を併せて参照し、実施形態のエンジン7は、クランクシャフト11の回転中心軸線C1を車幅方向(左右方向)に沿わせたV型4気筒エンジンである。
V型4気筒との記載があります。
ちなみに以前にもV型4気筒エンジンの特許が出願されていましたが、同じく車両の図はCBR1000RR(SC59)でした。
エンジンの図
エンジンはこちらです。DOHCですね。見た感じセミドライサンプですね。
ちなみにこちらはRC213V-Sのエンジンです。
見比べた感じ全然別物ですね。RC213V-Sのエンジンはえらくコンパクトですが、特許のエンジンはそうでもない。ふつうにでかい。
市販モデル向けっぽい
触媒ついてる
こちら排気系の特許の図ですけど…
- 22a:上流端部
- 22c:触媒
- 28:マフラー
- 28a:排気口
- 29:排気バルブ装置(排気デバイス)
こんな感じです。上記の通りにちゃんと触媒ついてるタイプのマフラーです。
MotoGP車両であれば触媒ついてませんよね。
ガチっぽいマフラー
こちらマフラー周辺の図です。あ、センターアップマフラーです。
一対の独立管22の上流端部22a(前端部)は、後傾シリンダ12の後壁部において、各気筒の排気ポートの開口部にそれぞれ接続されている。
前傾シリンダ11の排気装置の排気管は、シリンダ前方で適宜湾曲して後方へ折り返して延び、車体下部に配置された不図示のマフラー(消音器)に接続されている。
後傾シリンダ12の排気管の排気管は、シリンダ後方へ適宜湾曲して延び、後輪3上方に配置されたマフラーに接続されている。
フロントバンクがアンダーマフラーで、リアバンクはセンターアップマフラーの前後で独立してるタイプですね。
MotoGP車両やRC213V-Sもそういうタイプのマフラーです。ガチ系ですね。
コスト気にしてる
管継手でスプリングを介する場合、管同士の傾きを抑えて排気漏れを防ぐために、複数のスプリングを排気管の周囲に均等に配置する等の配慮が必要となり、部品点数や組み立て工数が増大してコストが高くなる虞がある。
そこで本発明は、廉価な構造としながら排気管継手部分からの排気漏れを防ぐことができる内燃機関の排気装置を提供することができる。
こちらは排気系の特許の説明です。コスト気にしてます。
MotoGP車両であれば部品点数や組み立て工数なんか気にしませんよね。そんなことより速さを追求するでしょうし。
そういう感じで市販車両向けの特許だと思われます。
VFR1000R的なモデルだと思う
ちなみに以前にも同じエンジンと同じ車両の図で特許が出願されています。詳しくはこちら。
V3でも何かしらやってるらしい。詳しくはこちら。
ホンダは結構前にVFR1000的なモデルを開発していたらしいのですが、それが中止になったそうです。
恐らくですが、それが再開したか、または以前とは違う新たなV型4気筒モデルなのかもしれません。
大体そんな感じです。
ホンダのV4に関しては以前から噂がありますが、こういう特許が継続して出願されていますし、今回の特許内容からして、市販モデルなりが開発中な可能性はそれなりに高そう。
なんかEURO6は厳しすぎるらしいので、それまでにホンダの象徴的なV4スーパースポーツ出すぞって感じなんでしょうか?ホンダといえばV4なイメージもありますし。
EICMA2023あたりに何かしらの発表あるといいのですが。コンセプトモデルとか出てくれると良いよね。存在が確定するから。