スロットルグリップをひねるんじゃなくて横にスライドさせるんですって。すげー
ホンダのスロットルグリップの特許
アクセル操作中のブレーキ操作をより迅速に行うことができる技術を提供する。
2019年10月出願の特許です。
鞍乗型車両は、ハンドルバーの端部に設けられて運転者により把持されるとともに、ハンドルバーの軸方向に沿って摺動可能に構成されたグリップ210と、運転者によるハンドルバーの軸方向へのグリップ210の摺動操作に応じて駆動力を制御する制御部CNTと、を備える。これにより、運転者がグリップ210の操作を行っている場合においても、運転者の手とブレーキレバー22との距離がほぼ変わらないため、ブレーキレバー22の操作性を向上させることができる。
ハンドルバーの軸方向に摺動…?
それってグリップをハンドルバーに対して平行移動させるって事ですよね。簡単に言うと横にずらす的な。
なにこれ。
アクセルひねるとブレーキレバーから指が遠くなるからその辺解決しようって特許
例えば緊急時などでは、アクセル操作中にブレーキ操作を行うことが想定される。しかしながら、特許文献1に開示されているように、乗員がスロットルグリップを回動操作することによりアクセル操作を行う従来の構成では、スロットルグリップの回動操作中にブレーキレバーを握りづらい。そのため、アクセル操作中においても迅速にブレーキ操作を行うことができる構成が望まれる。
そこで、本発明は、アクセル操作中のブレーキ操作をより迅速に行うことができる技術を提供することを目的とする。
当たり前ですがアクセルひねると指が上に向くというか、体側に向きますのでブレーキレバーから指が遠くなりますよね。
なのでその辺を解決するぞーって特許です。
これ内容的に競技用とかそっち向けな気もしますね。アクセルひねりながら前ブレーキの操作とかするでしょうし。そういう記載はないけど。
横にスライドさせると中身は回ってる
こちら図3と図4です。
グリップ210は、ハンドルバー14の右側端部を覆うように設けられ、ハンドルバー14の軸方向Aに沿って摺動可能に構成される。グリップ210には、軸方向Aに沿って伸びるハンドルバー14の開口部14aを介して、回動部材211の溝部211aに挿入される突起部210aが設けられている。また、回動部材211は、ハンドルバー14の内部に設けられており、図4に示すように、運転者がハンドルバー14の軸方向Aにグリップ210を摺動することで、ハンドルバー14の軸周りの回転方向に回動するように構成される。
こちら図5
例えば、回動部材211は、図5に示すように、螺旋状に形成された溝部211a(カム)を有し、運転者が軸方向Aへグリップ210を摺動してグリップ210の突起部210aが溝部211aを移動することにより回動するように構成されうる。即ち、回動部材211は、軸方向Aへのグリップ210の並進運動を回転運動に変換する部材として構成されうる。
あ、Aの方向に210をスライドさせると中身の211は回転しますね。斜めの溝のおかげね。へぇー。この図を見て理解した。
この構成では、運転者がアクセル操作量を増加させたとしても、運転者の手とブレーキレバー22との距離がほぼ変わらないため、例えば緊急時など、アクセル操作中におブレーキ操作を行う場合であっても、当該ブレーキ操作を迅速(瞬時)に行うことができる。
たしかにこれなら右手の位置が右(バーエンド側)に移動するだけでひねりはないので、普通のと比べるとブレーキレバーが握りやすそう。最初はちょっと戸惑いそうだけど。
あと今更ですけど最初の図とかからもわかる通りにスロットルバイワイヤです。
誤操作等の対策もされてるよ
また、アクセル操作部21は、車両10の旋回に応じてグリップ210の摺動操作に抵抗力を与える機構を有する。当該機構は、例えば、車両10の旋回中に生じる遠心力によって軸方向Aに移動する質量体213(ウェイト)と、質量体213の移動に応じてグリップ210に当接する当接部材214とを含みうる。
質量体213は、例えば、回動部材211に形成された空洞部の内部に設けられており、その先端側の一部には、ハンドルバーの軸方向A(グリップ210の摺動方向)に対して傾斜した傾斜面213a(カム)が形成されている。そして、質量体213は、例えばバネ部材などの付勢部材215により、ハンドルバー14の中心方向に向かって付勢されている。一方、当接部材214は、その一方の端部が質量体213の傾斜面213aに接触しており、軸方向Aと垂直な方向に移動可能にハンドルバー14によって支持されている。
このような質量体213および当接部材214を有する機構では、例えば左方向に車両10が旋回すると、旋回中に生じる遠心力により、ハンドルバー14の先端方向に向かって質量体213が移動しうる。このとき、図6に示すように、質量体213の傾斜面213aに接触している当接部材214は、質量体213に押されてグリップ210に当接するため、グリップ210の摺動操作に抵抗力を与えることができる。このような構成により、車両10の旋回中に生じる遠心力により、運転者の意思に反してグリップ210が摺動し、駆動力(加速度)が増加することを回避することができる。また、車両10の旋回中に、運転者が誤ってグリップ210を摺動することを回避することもできる。
加減とか難しそうですし、メンテナンスがシビア(摩耗とかヘタリとか)になりそうですけど、ちゃんと誤操作等の対策もされてるよ。
確かに横にスライドさせるタイプだとカーブの時結構怖いですね。遠心力もそうですけどカーブする時ってハンドルにある程度力が入ります。
近いうちに市販するモデル向けの特許じゃないと思うよ
そういう感じでとてもおもしろい特許ですが、市販モデル向けの特許じゃないと思うよ。
こういうの出来そうだなーって感じで出願した特許だと思われます。
ちなみに車両の図は昔のCRF250Lですね。とりあえずCRF250Lを使ってるだけでしょうね。深い意味は無いと思う。
気になる人は2021-055650でどうぞ。
大体そんな感じです。
市販モデル向けの特許ではなさそうですが、将来的にはこういうのも出てくるのかもしれませんね。市販するなら普通のとスライドで選べるタイプになったりするのかな?
電動バイクとかのコンセプトモデルでこの特許のスロットルが採用されてたりしそう。先進感アピール出来ますし。