恐らくは市販に直結するタイプの特許ではなさそう。市販モデルに採用されるならCBR1000RR-R SP2向けですかね。
ホンダのラジエーターの特許その1
冷却性能を向上させることが可能なラジエータを提供する。
2020年3月出願の特許です。
冷却水を貯める前タンク47A及び後タンク47Bと、前タンク47A及び後タンク47Bのそれぞれに接続されて冷却水の放熱を促す複数の冷却水通路48dとを備えるラジエータ47において、前タンク47A及び後タンク47Bは、車幅方向中央に配置され、冷却水通路48dは、前タンク47A及び後タンク47Bの車幅方向外側に設けられた放熱板47e内に形成されている。
ラジエーターの特許なんですけど…
普通のラジエーターってまっすぐな板みたいな形状してますよね。この特許のラジエーターは板ではなく、V字になってます。
- 放熱板の面積拡大
- 冷却水路を長く出来る
- ラジエーター容量を増やすことが出来る
- カウルに合わせた形状に出来る
- 走行風をラジエーターの内側に集めやすくなる
等の効果があるそうです。へーなるほど。2021-162258です。
ホンダのラジエーターの特許その2
車両形状に合わせられるように柔軟に対応でき、また、冷却性能の向上が図れるラジエータを提供する。
2020年3月出願の特許です。
ラジエータ47は、冷却水を貯める第1タンク47D及び第2タンク47Fと、第1タンク47D及び2タンク47Fのそれぞれを接続するコア47Hとからなり、コア47Hは、第1タンク47D、第2タンク47F間で冷却水を流す複数の冷却水通路47p,47q,47r,47sを備え、複数の冷却水通路47p,47q,47r,47sは、隣り合う冷却水通路との間に所定間隔を開けて配置され、一部又は全部の冷却水通路は、第1タンク47D、第2タンク47F間の最短距離を接続する方向とは異なる方向に延びて第1タンク47D、第2タンク47F間を接続する。
こちらも変な形のラジエーターの特許です。
ラジエーターの形状の自由度を高めたり、冷却性能の向上、製造コストの軽減、スペースの有効利用等。2021-162257です。
正面から見るとこういう形状
車両に付いてる図。
ホンダのラジエーターの特許その3
車両部品と共によりコンパクトな配置を可能なラジエータを提供する。
2020年3月出願の特許です。
冷却水を貯める上タンク73及び下タンク74と、上タンク73及び下タンク74のそれぞれを接続するコアとからなり、コア75は、上タンク73、下タンク74間で冷却水を流す複数の冷却水配管83a~83eと、複数の冷却水配管83a~83eのそれぞれの間に渡されて冷却水配管83a~83eからの放熱を促す複数のフィン84a~84dとを備えるラジエータ47において、少なくともコア75に備える空気が流通する背面73aに凹部47bが設けられている。
71はファンです。あ、ファンがラジエーターに埋まってますね。
断面図。ラジエーターの中にファンが収まっています。普通のラジエーターのファンは外付けって感じの見た目してるよ。
この特許も冷却性能向上や、カウルに合った形状に出来るとか、コンパクトに出来るとかです。2021-160372です。
こちらラジエーターの背面図です。円形。
正面からの図。あーたしかにカウルついてるバイクなら円形でも無駄なスペースができにくいですね。
車両の図はCBR1000RRっぽい
上記の3特許の車両の図はこちらです。CBR系ですね。
車体はCBR1000RR(SC59後期)をベースに描かれてますね。特徴が一致する。
ヘッドライトに関しては現行CBR1000RR-R系をベースに描いてるのかな?
ラムエアダクトとか無いのでぜんぜん違うけど。
市販に直結するタイプの特許じゃないと思う
今回の特許ですけど、同じ時期にいろんなパターンが出願されていますし、車両の図が結構アバウトです。
なので市販モデルにそのまま使う系の特許ではないと思います。こういうのどう?系の特許でしょうね。
車両の図がCBR1000RRですし、特殊なラジエーターですので、市販モデルに使われるならCBR系のフラッグシップモデルあたりでしょうね。普通に考えるとCBR1000RR-R向けでしょうか。
同じタイミングでCBR1000RR-R向けっぽい可変バルブ機構の特許が出願されていますので、今回の特許ももしかしたらCBR1000RR-R SP2あたりに使われるって可能性は多少はあると思う。
同じくCBR1000RR-R向けっぽい排気系の特許も同じタイミングで出願されてますし。