電動スーパーチャージャーがついてるハイブリッドエンジンです。えぇ…
カワサキの電動スーパーチャージドエンジンの特許
電動過給機を搭載する乗物において、重量の増加及びレイアウト自由度の低下を抑える。
2020年3月10日出願の特許です。
電動過給機付き乗物は、エンジンと、前記エンジンの吸気圧を高める過給機と、モータ駆動軸を有する電動モータと、前記エンジンの駆動力を推進力発生体に伝達する動力伝達軸を含む動力伝達経路と、前記電動モータから前記動力伝達軸への動力伝達を切断可能な切替クラッチと、を備える。前記モータ駆動軸は、前記切替クラッチの切断状態において前記過給機を駆動可能に前記過給機に接続され、かつ、前記切替クラッチの接続状態において前記推進力発生体を駆動可能に前記動力伝達軸に接続される。
どういう事?って感じスけど…
SCとハイブリッドで電動モーター共有してるっぽい
過給機によってエンジンの吸気圧を高めるエンジン過給モードにおいては、電動モータで発生する動力は切替クラッチによって動力伝達軸には伝達されず、適切に過給機が駆動される。他方、電動モータを走行駆動源として利用する電動走行モードでは、電動モータの動力が切替クラッチを介して動力伝達軸に伝達され、電動モータの駆動力が推進力発生体に伝達される。よって、電動過給機付き乗物において、過給機を駆動する電動モータが走行駆動源を兼ねるので、重量の増加及びレイアウト自由度の低下を抑えることができる。なお、乗物が車両である場合には推進力発生体は駆動輪となり、乗物がパーソナルウォータークラフトである場合にはジェットポンプとなる。
電動モータMは、その生成した駆動力を出力するモータ駆動軸37を有する。電動モータMは、駆動輪11を駆動する走行駆動源として機能し、過給機SCを駆動する過給機動力源としても機能し、エンジンE又は駆動輪11からの動力で発電する発電機としても機能する。
本来なら過給機用のモーターとハイブリッド用のモーターが別々に必要だけど、この特許だとモーター1つでどちらも兼ねるみたいです。
私この辺全然わからない人間なので兼用出来る物なのかよくわかりませんが、1つですむなら部品点数も減るし、場所も取らないので良さげですね。
ハイブリッドモードと過給モードがある
通常モード
図1は通常エンジンモードを示す。図1に示すように、通常エンジンモードでは、コントローラ20は、メインクラッチアクチュエータ15を制御してメインクラッチ14を接続状態にし、切替クラッチアクチュエータ18を制御して切替クラッチ17を切断状態にし、アクセル操作量センサ21の検出値に基づいてエンジンEが駆動状態になるようにエンジンEを制御し、電動モータMが回生状態になるように電動モータMを制御する。なお、各モードにおいてエンジンEが駆動される際のメインクラッチアクチュエータ15の制御は、自動制御でもよいし運転者のクラッチ操作に応じて行われてもよい。エンジンEの回転数は、例えば12000rpm未満である。
これにより、エンジンEの駆動力は、プライマリ減速ギヤ13、メインクラッチ14、入力軸41、変速ギヤ列43、出力軸42及び出力伝達部材12を介して駆動輪11に伝達される。更に、入力軸41の回転動力は、ワンウェイクラッチ16及び動力伝達機構19を介してモータ駆動軸37に伝達され、電動モータMは発電機として機能する(回生)。モータ駆動軸37の回転は過給機入力軸38にも伝達されるが、モータ駆動軸37及び過給機入力軸38の回転数は高くないので(例えば、5500rpm未満)、過給機SCは弱い過給を行うだけとなる。なお、過給機の上流側又は下流側の流路に閾値を超える圧力を解放するリリーフ弁を設けてもよい。
通常モードはほぼ内燃機関のみで動いてる状態ですが、微妙に過給されてる。モーターが入力軸41(エンジンで回ってる)によって回生してるので、それで微妙に過給されるって事ですね。
過給モード
図2はエンジン過給モードを示す。図2に示すように、エンジン過給モードでは、コントローラ20は、メインクラッチアクチュエータ15を制御してメインクラッチ14を接続状態にし、切替クラッチアクチュエータ18を制御して切替クラッチ17を切断状態にし、アクセル操作量センサ21の検出値に基づいてエンジンEが駆動状態になるようにエンジンEを制御し、電動モータMが駆動状態になるように電動モータMを制御する。エンジンEの回転数は、例えば12000rpm未満である。電動モータMは、過給機SCを駆動するために所定の高回転数(例えば、6000~15000rpm)で駆動される。エンジン過給モードにおける電動モータMの回転数は、後述のHEVモード及びEVモードおける電動モータMの回転数よりも高い。
これにより、エンジンEの駆動力は、プライマリ減速ギヤ13、メインクラッチ14、入力軸41、変速ギヤ列43、出力軸42及び出力伝達部材12を介して駆動輪11に伝達される。更に、電動モータMは、電動モータMの回転数(例えば、6000~15000rpm)が入力軸41の回転数よりも高くなるように駆動される。そのため、モータ駆動軸37によって過給機入力軸38が駆動され、過給機SCはエンジンEに対して強い過給を行う。
基本的に通常モードと同じですが、電動モーターが電力で駆動して過給機が高回転で回ってるので強い過給するって事ですね。
HEVモード
図3はHEVモードを示す。図3に示すように、HEVモードでは、コントローラ20は、メインクラッチアクチュエータ15を制御してメインクラッチ14を接続状態にし、切替クラッチアクチュエータ18を制御して切替クラッチ17を接続状態にし、アクセル操作量センサ21の検出値に基づいてエンジンEが駆動状態になるようにエンジンEを制御し、アクセル操作量センサ21の検出値に基づいて電動モータMが駆動状態になるように電動モータMを制御する。エンジンEの回転数は、例えば12000rpm未満である。
これにより、エンジンEの駆動力は、プライマリ減速ギヤ13、メインクラッチ14、入力軸41、変速ギヤ列43、出力軸42及び出力伝達部材12を介して駆動輪11に伝達される。更に、電動モータMのモータ駆動軸37の駆動力は、動力伝達機構19及び切替クラッチ17を介して入力軸41に伝達されて駆動輪11に伝達される。即ち、入力軸41において電動モータMの駆動力がエンジンEの駆動力に重畳される。
減速走行時には、コントローラ20は電動モータMを回生状態に制御する。そのため、減速走行時に駆動輪11から入力軸41に伝達される走行慣性力は、切替クラッチ17及び動力伝達機構19を介してモータ駆動軸37に伝達されて電動モータMが発電を行う。
HEVモードだと電動モーターと入力軸が繋がってます。通常モードと過給モードだとモーター側の回転が入力軸に繋がっていないよ。
電動モーターの回転が入力軸に繋がっている状態ですね。エンジンの回転にモーターの回転が足されているのでハイブリッドって事ですかね。
EVモード
図4はEVモードを示す。図4に示すように、EVモードでは、コントローラ20は、メインクラッチアクチュエータ15を制御してメインクラッチ14を切断状態にし、切替クラッチアクチュエータ18を制御して切替クラッチ17を接続状態にし、エンジンEが停止状態になるようにエンジンEを制御し、アクセル操作量センサ21の検出値に基づいて電動モータMが駆動状態になるように電動モータMを制御する。電動モータMの回転数は、例えば5500rpm未満である。
これにより、電動モータMのモータ駆動軸37の駆動力は、動力伝達機構19及び切替クラッチ17を介して入力軸41に伝達されて駆動輪11に伝達される。その際、メインクラッチ14が切断状態であるので、電動モータMの駆動にエンジンEが抵抗になることが防止される
エンジンが停止してる状態です。電動モーターだけで入力軸を回してるのでEVモードですね。
エンジン始動、発電モード
図5はエンジン始動モード及び発電モードを示す。図5に示すように、エンジン始動モードでは、コントローラ20は、メインクラッチアクチュエータ15を制御してメインクラッチ14を接続状態にし、切替クラッチアクチュエータ18を制御して切替クラッチ17を接続状態にし、運転者のエンジン始動指令に応じて電動モータMが駆動されるように電動モータMを制御し、前記エンジン始動指令に応じてエンジンEを始動させるようにエンジンEを制御する。これにより、電動モータMをエンジンEのスタータモータとして機能させることができ、始動専用のスタータモータを省略することができる。
また、発電モードでは、コントローラ20は、メインクラッチアクチュエータ15を制御してメインクラッチ14を接続状態にし、切替クラッチアクチュエータ18を制御して切替クラッチ17を接続状態にし、運転者の発電指令に応じて電動モータMが回生状態になるように電動モータMを制御し、前記発電指令に応じてエンジンEを所定の回転数で駆動させるようにエンジンEを制御する。これにより、乗物1を走行させずに、エンジンEの駆動力で電動モータMに発電を行わせ、電力を得ることができる。
あ、電動モーターがスターターも兼ねてます。たしかに出来そう。発電モードもありますので災害時とかキャンプとかでも使えそう。
電動モーターでどっちかを回す
電動モーターで電動過給器を動かして過給するか、入力軸を回してハイブリッド走行するかって感じですね。なんとなくわかった。
第二実施形態もありますので、気になる方は2021-142776でどうぞ。
バイク向けの特許だよ
図1は、第1実施形態に係る電動過給機付き乗物1の走行駆動系統10の通常エンジンモードにおける模式図である。図1に示すように、第1実施形態に係る乗物1は、電動式の過給機SCが搭載されたパラレルハイブリッド車両である。乗物1は、例えば、ライダーが跨って乗る鞍乗車両(例えば、自動二輪車)、不整地走行する四輪のユーティリティビークル等である。
この特許ですけど一応バイク向けの様です。パーソナルウォータークラフトともありましたので、水上バイク向けでもありますね。
恐らくですけど機構的に大きくなりますので、3輪バイクとか超小型モビリティとかそっち向けの可能性もありますね。コンセプトJ向きかな?
大体そんな感じです。
カワサキにはハイブリッドや、新型SCやってるって噂があります。でも合わせ技やってるって噂はたぶん聞いたことなかったです。
恐らくはすぐに出る様なものでは無いと思いますし、とりあえずとっとこ系の特許の可能性もあります。
ただカワサキがハイブリッドや電動スーパーチャージャーの研究やってるって事は間違いないので、将来が楽しみですね。
将来的にハイブリッドのバイクしか駄目ですってなった時に「スーパーチャージャーついてますけどハイブリッド車両ですので合法です!」って言える構成なので、なんかカワサキらしくていいですね。