ホンダの先進運転支援な特許ですが、他社と比べてかなり本格的にやりそうな感じですね。
ホンダのエアバッグ関連の特許
エアバッグを備えた鞍乗り型車両において、正面衝突時の乗員の保護性能の向上を図る。
2020年1月出願の特許です。
自動二輪車1は、乗員が着座するシート60の前方に展開するエアバッグと、車体フレーム30に対して前輪2を転舵可能に支持する前輪懸架装置10と、前輪2を転舵する転舵アクチュエータ173と、自車両の前方の物体を検出する前方検出装置120と、前方検出装置120の検出結果に基づいて自車両の正面衝突が発生するか否かを判定する衝突判定部と、正面衝突が発生すると判定された場合に、前輪2を中央位置から離れる方向に転舵させるように、転舵アクチュエータ173を制御するアクチュエータ制御部と、を備える。
どういうことじゃいって感じすけど…
ノーズダイブ抑制するとか
本発明によれば、前輪を転舵することで、車両の前端部を後退させることができる。ここで、自車両が前方の物体に正面衝突すると、車両後部が持ち上がるノーズダイブが発生する場合がある。ノーズダイブが発生すると、車両前方の物体と前輪との接触点よりも上方で、車両における第2の接触点が車両前方の物体に接触する。車両の前端部を後退させると、車両の前端部と第2の接触点との前後方向の間隔が狭くなる。車両の前端部と第2の接触点との前後方向の間隔を狭くすることで、ノーズダイブによるシートの浮き上がり量を小さくすることができる。これにより、乗員に対する水平方向の前方にエアバッグを展開できる。したがって、エアバッグを備えた鞍乗り型車両において、正面衝突時の乗員の保護性能の向上を図ることができる。
正面衝突する時に前輪が正面向いた状態だとノーズダイブしちゃってダメージ大きくなるので、前輪を左右どっちかに動かしてノーズダイブを抑制してダメージ減らすって感じ?
図だとこんな感じ。前輪が左に傾いてますね。
前輪が正面向いてたらノーズダイブして車体が前転したり、ライダーが前に投げ出されそうなので、その辺抑制するぞーって感じでしょうね。
カメラとかステアリングアクチュエーターとかついてる
システム構成図です。
そりゃあまぁ正面衝突を検知して前輪を動かすんですから、レーダーとかカメラとか
ステアリングアクチュエーターとか付いてますよね。
ちなみにホンダはステアリングアクチュエーター関連の特許も以前に出願しているよ。
フローチャートもあります。
ホンダの事故後の自走抑制の特許
事故発生時に事故現場の近辺に留まることができる自動二輪車を提供する。
2020年1月出願の特許です。
自動二輪車1は、前輪2を転舵する転舵アクチュエータ173と、転舵アクチュエータ173を制御するアクチュエータ制御部と、自車両に衝突が発生したか否かを判定する衝突判定部と、乗員が自車両に乗車しているか否かを判定する乗車判定部と、を備える。アクチュエータ制御部は、衝突が発生したと判定され、かつ乗員が乗車していないと判定された場合に、前輪2を中央位置からずれた位置に位置させるステップを実行する。
事故って人が上に乗ってない状態でバイクが自走してたら、自ら倒れちゃうって事ですね。へぇー
自分で倒れちゃう
わかりやすいフローチャート。おーやっぱり自分で転んじゃうんですね。なんだかかわいい。
ステップS40において、安全方向判定部143は、安全方向は1方向(右側または左側のみ)であるか否かを判定する。例えば、図7に示すように自車両の進行方向から左側に歩道Sが存在している場合、安全方向判定部143は図中の矢印Rで示すように安全方向を右側のみと判定する。安全方向は1方向であると判定された場合(S40:YES)、制御装置140はステップS50の処理に移行する。安全方向は1方向でないと判定された場合(S40:NO)、制御装置140はステップS60の処理に移行する。
こういう感じで進行方向に人が居たらそれを避ける進路をとったりする。えらい。
ホンダの脱出補助の特許
転倒時に乗員を車体からスムーズに離脱させることができる自動二輪車を提供する。
2020年1月出願の特許です。
自動二輪車1は、車体フレーム30と相対回転可能に配置された操向ハンドル20と、操向ハンドル20を回転させる第1アクチュエータ174と、第1アクチュエータ174を制御するアクチュエータ制御部と、自車両の転倒が発生するか否かを判定する転倒判定部と、を備える。アクチュエータ制御部は、転倒が発生すると判定された場合に、操向ハンドル20の回転角を固定するように第1アクチュエータ174を制御する。
どういうことってかんじすけど
車体が倒れたらハンドル位置を中央に固定する
わかりやすくて大変ありがたいフローチャート
ハンドルが中央位置にありますし、その状態でハンドルが固定されます。
ハンドルがこの位置だと車体と地面との隙間が一番大きくなりますので、倒れたバイクから抜け出しやすくなりますし、車体を起こすのも多少楽になりますね。へぇー
先進運転支援システム載せたゴールドウイング向けの特許だと思う
車両の図ですけど…
ST1300パンヨーロピアンですね。ホンダのV4ツアラーです。今は居ないよ。
ホンダの大型V4ツアラーは現存しませんので、おそらくはゴールドウイング向けでしょうね。
エアバッグついてるのもゴールドウイングだけですし、先進運転支援システムの噂があるのもゴールドウイングだけですし。
それからゴールドウイング向けな操舵アシストの特許が以前に出願されています。今回の特許と合いますね。
今回の特許群の機能ですけど、ノーズダイブ抑制や自分で倒れちゃう特許はちょっと実装難しそうな雰囲気ありますよね。
他社が先進運転支援システム載せてるバイク出してますけど、こういう進んだものは採用されていません。たぶん色々と難しいんだと思う。
先進運転支援システムを装備した次期ゴールドウイングに上記の特許の機能が採用されるかは微妙だと思います。こういうのやれたらいいなって感じで出願した特許の可能性もあると思う。
しかしながら結構遅れているというか、長い間開発してるっぽいですし、ホンダはBOSCHではなく独自開発の様ですので、凄い物を出してくる可能性もありそうですね。