カワサキのZX-25Rのラムエアインテークの特許
”空気を効率よくエアクリーナに導入できる鞍乗型車両を提供する。”
”本発明の鞍乗型車両は、ヘッドパイプから後方に延びる左右一対のメインフレームと、前記ヘッドパイプの前方を覆うフロントカウルと、左右一対の前記メインフレームの間でエンジンの上方に配置されたエアクリーナと、前記ヘッドパイプに回動自在に支持されたフロントフォークと、前端の入口から走行風を取り入れて前記エアクリーナに供給する吸気ダクトとを備え、前記吸気ダクトは、前記ヘッドパイプおよび前記フロントフォークの前方に配置されるダクト前部と、前記ダクト前部から前記フロントフォークおよび前記メインフレームの車幅方向外側を後方に延びるダクト中間部と、前記ダクト中間部から車幅方向内側に湾曲して前記エアクリーナに接続されるダクト後部とを有し、前記吸気ダクトの入口は、車両の車幅方向中心線上に位置し、前記フロントカウルの前方に開口した空気取入口に臨み、前記ダクト前部は、前端の入口から後方に向かって車幅方向一側方に湾曲し、前記ダクト前部の内壁面の一部が、前記入口から導入される空気が衝突して水分を付着させる付着部を構成している。”
- 25:エアクリーナー
- 52:吸気ダクト
- 52a:吸気ダクト入り口
- 56:ダクト前部
- 58:ダクト中間部
- 60:ダクト後部
- 62:付着部
ZX-25Rの吸気ダクトですが、上記の配置です。こちら下から見た図ですね。
上からだとこんな感じ。
横からだとこんな感じ。
そういえば説明員さんも左側って言ってた。
ダクトはこんな感じ。
ちなみに見た感じだと吸気ダクトの存在感はなかったよ。
こちら別ジャンルですけど、Z H2とかのSCのアレは存在感ありありでした。
付着部って何
付着部って何?って感じですけど…
”詳細には、ダクト前部56の内壁面の一部(後壁56rの内面)は、その横断面形状が後方に向かって車幅方向の外側に傾斜して真直に延びている。この真直に延びる部分が付着部62を構成する。”
だそうです。この付着部のおかげで…
”空気とともに吸気ダクト52に導入された雨水(水滴W)が付着部62に衝突して付着する。付着部62に付着した水滴Wは、その下流側の水抜き孔66から吸気ダクト52の外部に排出される。”
へーラムエアインテークってそういう工夫もされてるんですね。全然知らんかった。
ちなみにラムエアインテークの入り口の部分撮った写真。
付着部は見えませんねぇ。丁度56rあたりのねじが見えますね。特許の図のとおりやん。
カワサキのZX-25Rのエアクリーナーの特許
”エアクリーナの容量を確保しつつ、燃料タンクの支持が安定する鞍乗型車両を提供する。”
”鞍乗型車両は、ヘッドパイプ4から後方に延びる左右一対のメインフレーム1と、左右のメインフレーム1の間で、エンジンEのシリンダヘッド26の上方に配置されたエアクリーナ25と、エアクリーナ25の上方に配置された燃料タンク40とを備えている。エアクリーナ25のクリーナケース34の車幅方向両側壁に、車幅方向内側に凹入した凹部36が形成されている。燃料タンク40を支持するタンク支持部15が、左右のメインフレーム1から車幅方向内側に突出して設けられ、凹部36に配置されている。”
”この構成によれば、燃料タンクの前後方向中間部で、最も幅寸法が大きな部位がタンク支持部で支持されるので、燃料タンクの支持が安定する。クリーナケースの車幅方向両側壁に凹部を設けるだけで、クリーナケース全体の車幅方向寸法は変わらないので、エアクリーナの容量を確保できる。”
だそうです。
フレームにタンク支持部15がありまして、15が隠れない様にエアクリーナーの一部を凹らせようって特許ですかね。
さり気にフレームの前部分って初出?
ちなエアクリーナー周り。
- 40:燃料タンク
- 38:電子制御装置(多分ECU)
- 27:スロットルボディ
- 25:エアクリーナー
- 35:クリーナーエレメント
ZX-25Rのマフラーの特許
”インナケースからアウタケースに熱、音が伝わりにくくできる鞍乗型車両の排気装置を提供することを目的としている。”
”マフラ35は、内部に膨張室ECが形成されたインナケース46と、インナケース46を覆うアウタケース48と、インナケース46とアウタケース48との間に介在する吸音材50とを備えている。インナケース46は一対のインナケース半体46a,46bを接合することで形成され、アウタケース48は一対のアウタケース半体48a,48bを接合することで形成されている。インナケース46に、膨張室ECと吸音材50とを連通させる透孔80が形成されている。膨張室ECに排気を導入する流入管45に、インナケース46およびアウタケース48が接合されている。膨張室ECから排気を導出する流出管75に、インナケース46およびアウタケース48が接合されている。”
”この構成によれば、インナケースとアウタケースが非接触であるので、排気の熱や排気の振動音がインナケースからアウタケースに伝わらない。これにより、排気装置による熱害を効果的に防ぐことができるとともに、アウタケースの劣化が抑制される。”
- 46:インナーケース
- 48:アウターケース
- 50:吸音材
うむ、吸音材サンド。マフラーの外側だけで3重構造です。
吸音材はグラスウールと記載ありますが、サスメッシュやアルミ箔であってもよいだとか。
”インナケース46の内部に、3つの膨張室52,54,56が形成されている。詳細には、インナケース46の内部は、第1および第2隔壁58,60により、前後方向に3つの部屋に区画されており、最も後方に最上流の第1
膨張室52が形成され、最も前方に第2膨張室54が形成され、真ん中に最下流の第3膨張室56が形成されている。”
- 34:集合部
- 36:テールパイプ
- 62:導入管
- 64:第1連結管
- 66:第2連結管
- 68:導出管
マフラーの中身。左がエキパイ側で、右がマフラーエンド側ですね。
CBR250RRとかも複雑ですが、こちらも似た感じですね。CBRも膨張室3つあるし。
断面図。わかりやすくて助かる。
ちなみに排気系はこんな感じ。42は触媒コンバーターなので、2連触媒タイプです。
”マフラ35は、上側のケース半体と下側のケース半体とを溶接で一体化することで構成された、いわゆる「もなか構造」である。”
吸音材サンドとかいってましたけど、吸音材もなかでした。一緒か。
カワサキのZX-25Rのテールパイプの特許
”空間を有効利用しながら、排気の出口周辺部分を大きくして外観を向上させる鞍乗型車両のテールパイプ構造を提供する。”
”排気装置35のテールパイプ36は、流入口70aを有する内筒70と、内筒70を覆う外筒72と、内筒70の内部を内筒上流側通路76と内筒下流側通路78とに区画する仕切り板74とを備えている。内筒70の外周面と外筒72の内周面との間に、外側通路82が形成されている。仕切り板74に、内筒上流側通路76と内筒下流側通路78とを連通する第1連通孔75が形成されている。内筒70の外周壁70bに、内筒上流側通路76と外側通路82とを連通する第2連通孔80が形成されている。内筒70の内筒下流側通路78に、内筒下流側通路78から排気が排出される第1流出口84が形成されている。外側通路82の下流端に、外側通路82から排気が排出される第2流出口86が形成されている。”
”この構成によれば、内筒と外筒の二重構造となっているので、テールパイプの出口部分を大きくして外観を向上させることができる。出口の内径を大きくすると、排気音が大きくなることが懸念されるが、上記構成では、第1および第2流出口から排気が排出される。したがって、テールパイプの出口の内径で定まる開口面積に比べて各流出口の開口面積は大きくならないので、排気音を抑制できる。このように、テールパイプの出口付近の空間を有効利用して排気音が大きくなるのを抑制しながら、排気の出口を大きくして外観を向上させることができる。”
こちらテールパイプの断面図です。
あー排気口が三重構造ぐらいになってましたけど、それってこういう意味があったんですね。へー
こちらその部分。三重楕円。
ちなみに日本仕様は楕円の数が増える可能性もあるとかそんな感じの事を仰ってました。
四重楕円になっちゃうのかな?
ただ単に排気口が太いのもかっこいいですけど、個人的にはこういう多重楕円の方が好きです。
大体そんな感じです。
個人的にはお弁当箱の中身がどうなってるのか気になってましたので、わかってすっきりしました。夢がいっぱい詰まってましたね。
社外マフラーは難しそうってお話でしたけど、マジで難しいでしょうね。そもそも作るとしてもフルエキになりそうですし。
つーか純正マフラーいくらするんだろう…
ZX-25R関連の情報はこちらにまとめてますので、気になる方はどうぞ。
写真とかもいっぱいあるよ。